羊たちの沈黙(THE SILENCE OF THE LAMBS;1991)

久しぶりの更新ー。レビューやけど。

学校の犯罪学の授業で2週にわたって鑑賞しました。
前半記憶があいまいなところもありますが、記憶が鮮明なうちに。

まず引っかかったのは題名について。いつも映画を見るときは題名と相関があるのかどうかについて考えるんですけど、この映画もタイトルが重要な意味を表していることに気づきました。「沈黙」とはつまり、死のこと。クラリスは幼いころに警察署長だった父を強盗に殺害され、また孤児となって引き取られた先で悲鳴を上げる子羊を救い出したものの、結局殺されてしまう、という二つのつらい経験をしています。沈黙と悲鳴はつまり、このことを想起させながら、クラリスが追っていく事件の中で暗喩としてたびたび使われるキーポイントになります。映画を見ながら「伏線と情景描写の複雑な映画だな」と思っていたので常にそのことが気になってて事件の詳細まであんまり覚えてないんですがw

ちなみに、さっき調べたところ羊はいけにえの象徴だとか、クラリスの追う犯人が女性の皮膚を剥ぐ、ということも羊を示唆しているというコメントを見てなるほどと思いました。

情景描写は静と動が巧みに使い分けられているイメージを受けました。そのおかげか、終始緊迫したムードでストーリーが展開していくので、はらはらして退屈しませんでした。一番その印象が強かったのはレクターが警察官を殺害するシーンで、犯行時の「悲鳴」と犯行前後の「沈黙」が鮮明に表現されていますw最後、クラリスが真犯人を追い詰めるシーンはちょっと物足りないかなという感じを受けましたがそれでもほかの場面が補って余りあるほどの示唆に富んでいて解釈の多様性・自由度が高く何度も見る価値がありそうです。かくいう自分も謎解きのヒントと心理描写がうまく読み込めない部分がかなりあったので、またDVD借りに行こうかなーと思います。続編の「ハンニバル」も観なきゃだなー。