本音
変な日本語だけど、会話の中で「本当の」本音を語ることは難しい。たとえば歌手の話で相手が崇拝するアーティストを批判したり好みじゃないとかあっさり相手の嗜好を否定するようなことをいえるのは相当密な関係じゃないといえないと思うんだな。言ったら言ったで、それ以降関係がぎこちなくなればどんどん話の内容から本音が遠ざかってしまう。
でも、俺が思うに、それをおもんぱかるってのは人間関係で必要な配慮だと思うし、なんでも本音を話すのがいいという考え方は間違っていると思う。それも理解してもらえるまでの関係にならないとそういう発言は慎むべきだと思う。
一方でブログでそのような配慮が必要かというと、それはないと思う。ブログというのは言葉と体が切り離された世界だから何を書こうと自由だ。(姿が見えないので有名人とかを除けば)自分の身に発言の責任を取らされたり、発言の利害を被るといったことは少ない*1。ブログが炎上するというのは何らかの形で相手の具体像が分かっている状態でないと起こりにくい。
こないだ、mixi日記で、ある友人が「××は●●だ」という文章(個人を中傷するものでない内容。)をつづり、それに対するマイミクのコメントで「それは偏見だから消してください。」というコメントを見た。文章について「偏見だ」と思うのは自由だけど、削除の義務はないだろう。でもmixi日記はたいてい公開対象がリアルの友人なので、少し配慮が足りなかったかもしれない。
例外のない自由はない。それを踏まえて自分の良心に反しない限りは好きなように本音を書いていいと思う。あ、自分の良心に反する文章は、本音とは言えないか。そして本音を語れる友人が増えたらいいな。
*1:もちろん、殺人予告や中傷などの愚かな例は対象外。