ブラッド・ダイアモンド (BLOOD DIAMOND、2007)

アフリカ・シエラレオネにおけるダイヤの不正取引をベースに途上国の紛争問題とを複雑にからめた映画。シエラレオネの紛争終結以前を舞台にし、ところどころ実在の組織が登場する。

見た後すごーく暗い気持ちになる。かなりシリアス。BLOODYではなく、BLOODなので、「血塗られたダイヤ」というより「血のダイヤ」というイメージで見たほうがいい。テーマは家族、正義、いろいろととらえることができるし、見ごたえは十分。一応折りたたみ。

RUFと政府軍、これは何の象徴なんかなーと考えた。悪と正義、という対立項が成立しそうだけど、結局は目くらましにすぎない。つまり、正義を掲げる政府のやり方をすべて正当化できるわけでもなく、RUF(ゲリラ組織みたいなもん)が絶対悪とは言い難い。だから紛争問題において正義と悪、きれいに二分することはできない。どちらかを悪と決め付けてそれを倒すという勧善懲悪のストーリーは簡単に解決できそうだけど根底には思想信条、欲、複雑に絡まっており、円満に解決することはできない。武器をとって反抗の意を示すことも意思表示のやり方の一つだから。次にダイヤモンド。ダイヤモンドがもとで数多くの死人が出る。その人たちそれぞれに歴史がある。未来もある。それを背負ったダイヤを買う人は常に先進国の人間だ。僕は宝石にあまり魅力を見いだせないのですが…(いや善人ぶってるわけじゃなく、ただの石っころと思ってしまう)。とまぁその人たちによって途上国の人たちはダイヤを搾取され、生活を壊される。絆を象徴するダイヤが家族を離散させてしまう。皮肉なストーリーになってますね。

レオナルド・ディカプリオの映画って、ストーリーが軽薄だろうなっていう偏見を持っていたのです*1が、これは違いました。というか、昔より年を重ねてるので渋さがあるなぁっていう感じがします。共演のジャイモン・フンスーっていう役者さんは個人的にはデンゼル・ワシントンより好き。また時間空けてみたら面白い発見があるかもしれん。



今無性に映画が見たくなってていろいろ見てます。特にクレしん作品はケツだけ爆弾と、金矛の勇者は見てなかったんですが見たし、それ以外も久々に見てみると意外な発見があったりでやっぱクレしんは深いなぁと思いました。

お勧め映画募集。TSUTAYAで借りれるやつで、なるべく洋画がいいですが、これは見たほうがいい!って言うのあれば随時教えてくださいな。