イメージできる?
とある花屋があって。関西では京都に2店舗しかないけどもともと東京の西部(六本木・赤坂あたり)を中心に軒先展開(いわゆる坪ビジネス)をして一時期成功したフラワーチェーン。商品構成は売れ筋のバラやユリを中心に。仕入をあんまり花に精通してない担当に任せ仕入、昼に蕾の花を売り夜は繁華街のお水需要でロスを徹底的に減らすことに成功。価格帯は一般生花店と同程度。価格では勝負しない。出店先は繁華街の、それも少し暗い、軒先。きらびやかなネオンに負けてしまわないようなところに、ポツンときらめく狭隘な店舗。売る姿勢には厳しく、花に関する知識には甘い。バブル期とその少し後くらいにその絶頂を迎えた。
話を聞くだけではこんなベンチャー、直につぶれる。世間を甘く見過ぎ、時流に乗っただけだ、運が良かっただけ。と思う。じゃあ、どうすりゃいいのか。一つには商品をよく知り、ターゲットを明確に、どの層に売れれば効果的な売り上げが望めるか考え、それに見合った商品構成、店舗展開、価格設定、販促戦略を行う。けれど、それはどこもやってることだから結局どうしたってうまくいかない。今の視点で当時に思いをはせるのは難しいし、その時の最良の選択を模索するのは至難の業だ。でも、このままじゃダメだ、という感覚はなんとなくわかる。けれど、その姿勢でその当時成功してたし、バブルの最中*1、これからもずっと好況が続くだろうという楽観、これらは今という視点から見ればそんな甘くはないと思うけど、それでは当時に身を置いて考えたわけではない。
既存のシェアに切りこんでいくか、新しい市場を開拓するか。だいたいどちらかに絞られるけど、長い不況を経験した私たちにとってどちらもリスキーである。「WW2でこてんぱんにされて委縮した日本をそれになぞらえるのは無理があるかもしれないけどバブルに懲りた日本人が委縮してしまうのも無理はない。けれどそれでは負のスパイラルだ*2」と言う人もいる。今現在と言う境遇で問題点を見つけ出しその対処法を見つけ出すのは過去のそれを見つけるより簡単だし、データもあふれてる。でも、何か見落としてる。足りないのは希望じゃないかな。
恵まれてはいないけど、いい時代に生まれてきた。底を知ってるからこそ、伸びしろはある。そう信じなきゃこの先楽しくないやん。