ぼくのなつやすみ下

  • 9月11日(金)はじめてのゆふ

当てもなく湯布院へ行ってきた。先日とり天を食べた店のオーナーさんに湯布院をかなり推されたからだ。別府は何度は足を運んだが湯布院は実は一度も行ったことがなかった。初めて乗る久大本線に揺られつつ、一時間ほどで由布院着。駅を降りるとレトロな街並みが顔を出し、その奥に聳え立つ由布岳が町を見下ろす。ここも自然の中にできた、街。今はすっかり観光地となってしまっているけど、別の意味で落ち着く場所であり、平日にもかかわらずかなりにぎわっていた。駅から金鱗湖まで歩き少し休んだあと路地裏をつらつらあるき、ぱっと見てペンションか民宿か、普通の民家のような佇まいの洋食屋にそそられた。人通りが全くなく、ともすれば見落としてしまうくらいだった。商売っ気が全くない。
ここではオムライスセットを注文した。自分しかいない店、というか、居間というか。シェフの料理するところが目の前で見え、奥さんとみられる女性補助していた。別府のとり天の店といい、アットホームにもほどがある。オムライスはトロトロでとても美味しく、すぐ平らげてしまい、あとから出てくるデザート(ロールケーキ、焼きプリン、ティラミス)三銃士もすさまじくおいしくて驚いた。ケーキは外に焼き目がついて中がふんわり。プリンはカラメルが固められててそれが中身とよく合うし、ティラミスは甘すぎずコーヒーとよく合う味だった。湯布院は観光客価格で高いといわれていたけど、個人的には大満足だった。
帰りは本数のかなり少ない観光特急「ゆふいんの森」に乗車して大分へ行き、伯父宅へ帰宅した。

  • 9月12日(土)加藤氏の御膝元へ

九州は特急王国。大分駅にはゆふ、ゆふDXゆふいんの森(それぞれ久大線博多方面)、ソニック(白/青・日豊線小倉・博多方面)、にちりん(宮崎方面)と、さまざまな特急が発着する。しかも、列車はきれいだし、車内も綺麗にされている。この日は九州横断特急という、大分から竹田、阿蘇を横断して熊本・人吉に至る特急に乗車して、熊本城を見物しに行った。道中は大自然の中を突っ切っていく。やはり、景色がきれいだ。途中、席が隣になった老紳士と会話した。*1熊本に着くと、路面電車に乗り換え熊本城前で降りる。電停から結構歩いたけれど、訪れた価値はあった。予想以上に見応えある城だった。
熊本城では一口城主、といって寄付一口から城主を名乗れ、場内の名簿に名前が記載される。城内には名前がずらりと並んで奇妙だったのか、韓国人と思われる観光客に英語でこれはなんだと聞かれた。つたない英語で寄付した人の名前だと答えた*2。英語勉強しなくちゃなぁとおもいながら天守閣へ。城郭は予想以上にでかくて3大名城に数えられるゆえんも理解した。
熊本は市街地が駅から離れたところにあったが、おそらく岡山か、それ以上の市街地規模だった。中心市街地で熊本ラーメンを食すべく、探し歩きここでもらーめん充。やっぱりラーメンは九州だな。非常に美味だった。今度来るときは時間があるときに、天草や人吉を訪れて馬刺しを食べてみたい。特急の時間にぎりぎり間に合い、帰宅。帰ってからいとこの子供(5歳と6歳のやんちゃ盛りの姉妹)の相手をさせられ、結婚もしてないのに着々とパパキャラが定着していく。つぎは、結婚に反対して嫁入りのときに陰で泣けばいいんだな。

  • 9月13日(日)九州はいつも温かい

朝、祖母のいる介護施設を訪れた。冬に来たところと違った。祖母は2年前に倒れて以来、徐々に回復はしているものの、会話が通じないことが多々ある。
それでも、祖母は元気そうだった。握手の手は力強く、元気をもらった。施設の方が、祖母の手紙を見せてくれた。俺が物心つかない時に亡くなった祖父へ宛てたものだった。これを見たとき、みんなして笑ってた。でも、心の中でいろいろ思うことはあっただろう。やさしい、ばあちゃん。この旅で、たくさんの親戚に感謝した。伯父一家も、いとこも、ばあちゃんも、親戚は皆、温かい。けれど、それに対して感謝の辞を述べると、照れ笑い、何も言わない。本当は11日に帰る予定が、伯父が泊まって行けというのでその言葉にあまえた。結局、4泊もお世話になってしまった。

一週間、熊本を訪れた日以外はほとんど雨は降らず、快晴続きだった。伯父一家とわかれて、「また来なさいよ」という言葉をもらい、大分駅へと向かう電車の中で、大分の青空を眺め、この旅を振り返った。大分の空は広く、遠くまで澄み渡っていた。

*1:阿蘇中腹でスイッチバックというのをやっていた

*2:fundが通じず焦ったがようやく絞りでたdonationで通じた